
第83回消費者委員会(平成24年3月13日)
(1)住宅リフォームに関する消費者問題への取組について
(2)食品安全基本法第21条第1項に規定する基本的事項の改定について
(3)特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案について
(4)標準旅行業約款について
(5)消費者基本計画の検証・評価・監視について
3月13日(火)に第83回消費者委員会を開催しました。
(1)住宅リフォームに関する消費者問題への取組について
国土交通省より、「住宅リフォームに関する消費者問題への取組についての建議」後の対応状況についてヒアリングを行いました。議論の最後に、委員長より以下の内容の発言がありました。
- 国土交通省におかれては、基本的に、建議に対して真摯に取り組んでいただいており、お礼を申し上げる。とはいえ、まだまだ改善の余地があるということで、本日も委員から多くの意見が出された。これらの意見も参考にして、特に情報提供の部分など、制度の運用が更に活性化するよう、努力いただきたい。委員会としても、今後この問題を注視して、引き続きフォローアップしていきたい。
(2)食品安全基本法第21条第1項に規定する基本的事項の改定について
消費者庁より、食品安全基本法第21条第1項に規定する基本的事項の改定についてヒアリングを行いました。議論の最後に、委員長より以下の内容の発言がありました。
- 食品の安全は消費者の権益の基本中の基本と思われ、しっかりと取り組んでいただけるように、基本的事項を定めていくことが大事だろう。委員から、消費者の権利についてもこの基本的方針に書き込むべきとの提案があったことに対して、消費者基本法の記述と重複してしまうとの回答があったが、「基本的事項」にするかはともかく、食品の安全については、むしろ具体的に食品安全基本法の目的規定などで明記することがあって良いと思う。
また、食品の安全の中でも、消費者は放射能の問題を非常に心配しており、これについて安全・安心を確保することは最大の課題の一つだと思う。放射能に対する対応をきちんと考えていただきたい。
3つ目として、委員から、食品への外的要因だけでなく、アレルギー的なものや、物性・形状など、食品そのものが内包する危険性要因の問題があるとの指摘があった。潜在的危険要因として遺伝子組み換え食品の問題への配慮も必要かと思う。これについてきちんとコントロールできるかどうかということについても、十分に考えていただきたい。
4つ目として、食品の安全性は、それを食する人間の状態で決まる部分もあり、乳幼児や高齢者など、食する人の属性や状態も踏まえて食品の安全について見直すことも必要だと思う。
また、TPPとの関係で、今後、外国からいろいろな食品が国内に入ってくるということが、更に広まってくると思われるが、外国からの輸入食品に対する安全への取組も考えないといけないと思う。
課題は多いが、それだけ問題が大きく、消費者庁に期待するところも大きい。委員会としても、本件につき、別途議論する機会を持って、更に検討を続けたい。
(3)特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案について
消費者庁より、特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案についてヒアリングを行いました。議論の最後に、委員長より以下の内容の発言がありました。
- 消費者委員会が、昨年提言したように、まずは緊急対応として、本法案の速やかな成立にご尽力いただきたい。委員会としても応援したい。さらに、本改正だけでは万全ではないので、改正後の法律の執行状況も踏まえて、将来の様々な商品・役務についての取引行為一般について、後追いにならないよう、網がかぶせられるような改正についてもぜひ考えていただきたい。
もう一点、契約後、品物は持っていかれることが多いと思うので、商品を渡さない権利を消費者に与えたからといって、必ずしも消費者が守られるとは思えない。渡してしまって、ものが帰ってこなかったときの精算のルールについて、きちんと考えていただくことが必要だろう。
また、クーリングオフに関して、善意無過失の第三者にわたったときも、それで何もできないというのではなく、更に工夫をできないか検討いただきたい。
(4)標準旅行業約款について
観光庁及び一般社団法人日本旅行業協会より、標準旅行業約款の見直しに関する検討会について、兵庫県弁護士会より、弁護士会で出された意見書について、それぞれヒアリングを行いました。議論の最後に、委員長より以下の内容の発言がありました。
- 取消料については、航空会社やホテル等のキャンセル料の決め方自体に問題があるという感じもする。そこで発生するキャンセル料が、90日前から旅行業者の取消料を発生させるということを通じて、最終的に申し込んだ人へ転嫁される図式になっているとも見える。逆に言うと、旅行業者にとって、歩留率の読み違いのリスクが顧客の方に転嫁されていることにもなる。
取消料発生の条件と幅を変更する場合、その理由の透明化が必要で、十分な説明が必要だと感じる。
今の日本の認可約款には、問題を抱えているものも多い。司法の場においては、認可約款だからと言って合理性があるというお墨付きを常に得られることはないと考えた方がいいと思う。観光庁においては、本約款について、顧客の利益にも十分配慮して、厳密な形で公正性を追求していただきたい。
消費者委員会としては、旅行業約款に限らず、標準約款の適正なあり方について、できる限り考えていきたい。
(5)消費者基本計画の検証・評価・監視について
消費者庁より、消費者基本計画の検証・評価・監視についてヒアリングを行いました。議論の最後に、委員長より以下の内容の発言がありました。
- 委員会としても、今日の議論や、昨秋に行った各省ヒアリング、消費者団体等との意見交換でいただいた要望などを踏まえて、改めて議論をして、意見を述べさせていただきたい。本計画は消費者政策の基本方針に関わるものであり、非常に重要な課題と認識している。消費者の意見を適切に反映させるためにも、消費者庁に協力をお願いしたい。
以上
