分権クローズアップ[地方分権改革の旗手] 第20回 秋田県

分権クローズアップ[地方分権改革の旗手コーナー]では、各地方の「地方分権改革の旗手」の方から、それぞれの地域における地方分権改革の取組や成果について紹介をしていただきます。第20回は、秋田県 企画振興部総合政策課企画・分権推進班の長谷部達也主査から寄稿いただいた記事を掲載します。


1.はじめに

秋田県は現在、平成29年度までを計画期間とする「第2期ふるさと秋田元気創造プラン」に基づいて、「日本に貢献する秋田、自立する秋田」を目指した取組を進めておりますが、将来の人口減少に伴って地方自治体の財政規模が縮小し、結果として必要な行政サービスの提供に支障を来す自治体の出現が懸念されることから、このプランの中で「県と市町村の協働の推進」を重点施策に掲げています。

そこで今回は、市町村ほか各団体との連携の取組についてご紹介します。

2.事例紹介1 市町村への権限移譲の状況について

県では、権限移譲の推進とその把握のため、第4期行財政改革推進プログラム及び新行財政改革大綱(実施期間20年度~25年度)において、権限移譲の受入状況として移譲率(延べ受入項目数/延べ権限移譲対象事務項目数)を数値目標として設定しました。平成19年度の移譲率は30.4%でしたが、平成25年度には、目標としていた75%を達成しました。その後も着実に取組を進め、平成28年度における移譲率は概ね8割に達しています。

また、権限移譲の推進に向けては、県・市町村間での協議を経て、対象事務項目の見直しや県の権限移譲推進条例の見直しの検討を行っているほか、受入市町村に対する以下のような支援策を講じています。


秋田県資料1 市町村支援策

県ホームページでは、年度当初に市町村ごとの移譲率を公開していますが、人口当たりの職員数が少なく移譲事務の人員確保が難しいなど、各市町村で事情が異なることもあって、全ての自治体において移譲が進んでいるとまでは言えません。



3.事例紹介2 県と市町村の「機能合体」について

こうした権限移譲の取組と平行して、人口減少や少子・高齢化が極めて早いペースで進んでいる当県では、その影響を最小限に抑えるために、県と市町村の協働の取組を進めてきました。

平成21年10月に開催した「秋田県・市町村協働政策会議」では、県と市町村が重複又は類似して実施している事務事業等について、一体となって又は共同で業務を行う「機能合体」が提案され、分野別では観光・下水道など7分野で、地域別では以降に紹介する県の平鹿地域振興局と横手市において、それぞれ推進していくことの合意がされました。

これを受けて、平成22年3月には「分権時代における県・市町村協働の地域づくり推進方針」を県の方針として定めており、この中では、財政環境が一段と厳しさを増す中にあっても、県内の地方自治体が抱える様々な課題について適切に対処しながら、住民サービスの向上、地域の自立活性化等を図っていくために、機能合体をはじめ、県と市町村の垣根を越えた連携を一層推進することとしております。

具体的な機能合体の推進に向けては、


秋田県資料3 機能合体推進

など、様々な形式がありうるものと想定しています。

以上のうちから、現在行われている機能合体の代表的な事例として、1執務体制の一体化、共同化(ワンフロア化)をご紹介します。

県南部において1市5町2村が合併して誕生(平成17年10月)した横手市と、県の出先機関である平鹿地域振興局の管轄区域が同一となっていたことから、先の協働政策会議での合意を踏まえて、双方の関係部局が業務のワンフロア化について検討を進め、平成22年12月に知事と横手市長の間で「秋田県平鹿地域振興局と横手市の機能合体に関する基本協定」を締結しました。


秋田県資料4 基本協定締結式

この協定に基づいて、平成23年5月から平鹿地域振興局庁舎内に横手市が入居する形でワンフロアでの執務を始めましたが、現在では「観光物産・商工労働分野」、「建設分野」、「農林分野」がワンフロア化しているほか、「健康・福祉・環境分野」において「障害者相談員研修会」の事務を市に移管するなど、業務の共同化が一層進められています。

4.事例紹介3 近隣県との連携について

こうした市町村との連携に加え、地方分権に向けた連携の取組の一つとして、平成27年度、青森県・岩手県とともに「北東北3県の地方分権・広域連携」Facebookを開設しています。

これは、北海道・北東北知事サミットにおいて合意された「地方分権のためのPR活動の推進」に基づく取組であり、北東北3県の地方分権及び広域連携の推進状況について、共同でSNSを開設することによって、効果的な情報発信を行おうとするものです。



管内市町村における「地方分権講座」のほか、開催された北海道・北東北知事サミットの内容を速やかに発信するなど、SNSの特徴を生かした情報発信の強化を図っています。

5.おわりに

人口減少と少子高齢化は一層進行していくものと見込まれることから、今後将来にわたって継続的に必要な住民サービスを提供していくためには、市町村同士の連携(水平補完)や、県と市町村の連携(垂直補完)といった手法を考える必要があります。

平成25年度に県と全市町村で立ち上げた「人口減少社会に対応する行政運営のあり方研究会」では、専門職確保が難しい生活排水処理や道路・橋梁の維持管理などのインフラ分野の連携について、市町村から要望が寄せられており、これらに関する共同研究を進めながら、今後とも県・市町村を通じた効果的で無駄のない行政を展開していきたいと考えています。

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