分権クローズアップ[地方分権改革の旗手] 第9回 松戸市

分権クローズアップ[地方分権改革の旗手]では、各地方の「地方分権改革の旗手」の方から、それぞれの地域における地方分権改革の取組や成果について紹介をしていただきます。第9回は、松戸市総務部行政経営課の伊東朱美専門監から、松戸市子ども部子育て支援課子ども子育て政策室の取組みについて寄稿いただいた記事を掲載します。

1 はじめに

松戸市の人口は、平成元年に45万人を超え、平成26年4月1日現在で480,350人となっています。東京に隣接するいわゆるベッドタウンとして、人口増加が続いておりましたが、近年の首都一極集中の傾向や近隣市区の再開発、新鉄道路線の近隣市開通、東日本大震災などの影響により、子育て世代の流入は、平成22年度前後を境に鈍化傾向にあります。

年齢別人口では、高齢者人口が大幅に増加している反面、年少人口が減少し、少子高齢化が加速しています。

全国的な動向と同様に本市においても、出産後も就労を継続し保育を希望する市民は年々増加していますが、現在の未就学児の保育所利用率は全国平均と比較しても低く、家庭で子育てをしている方が比較的多いという特徴がある市です。また、家庭児童相談で対応している児童虐待家庭数は増加する傾向にあります。

平成15年に制定された次世代育成支援対策基本法を受けて、本市においても平成17年度から松戸市次世代育成支援行動計画「子どもと地域とみんなの未来」前期計画と後期計画を策定し、子どもを中心とした地域の人のつながりによる新たな地域づくりを重点として施策を推進しています。

これまでに、様々な子育て支援事業が新たに実施され、数多くの施設が開設されたこと、また、子育て家庭への支援が、保健、障害、教育などの他分野と複雑に関連し、また、多岐にわたっていることなどから、わかりづらく、支援事業等が必要とする市民に届かない状況となることがありました。

2 事例紹介 松戸市子育てコーディネーター事業

本市では、市内全域で19か所の地域子育て支援拠点事業(以下、「拠点施設」という。)を実施しております。平成25年度に行った松戸市子ども・子育て支援に関するアンケート調査では、乳幼児の保護者の49.5パーセントが拠点事業を利用したことがあると回答しており、身近な場所として多くの市民に利用されています。拠点施設のスタッフは、子育て中の保護者にとって、身近な子育て経験者として気軽に話しができる存在となっており、施設を利用した乳幼児を子育て中の市民の相談相手として活躍しています。

平成23年度からは、単なる相談相手としてではなく、子育てに関わるより具体的な支援等の情報提供や、専門知識の必要な育児不安や悩みを抱える様々な人に対して迅速に対応するために、専門性のある人材の必要性から拠点事業において「松戸市子育てコーディネーター」を養成し、新たに、松戸市子育てコーディネーター事業を実施しています。

子育てコーディネーターは、利用者の相談や疑問に対応し、地区担当保健師、保育所、民生委員・児童委員などの地域のさまざまな支援者や支援施設の情報提供や紹介を行うことや、市の各部署の担当者へつなぐなど、子育てに安心感を与えるためのワンストップの相談支援の仕組みとして構築したもので、児童虐待の予防のセイフティーネットとしての機能も果たしています。

拠点事業が本来の「地域子育て支援拠点」としての機能を果たすためには、利用者となる子育て世代だけでなく、地域のさまざまな支援者や住民とともに、行政、地域の町会、商店、保育所、幼稚園、子育て支援施設と子育て家庭をつなぐ場所となることが必要であり、そのためには、地域連携の拠点として、まずは子育てコーディネーターが地域の住民と連携をとることが必要となります。


松戸市資料2 子育てコーディネーターバッジ

本市の地域子育て支援拠点事業は、直接運営をはじめ、学校法人、社会福祉法人、NPO法人に委託し事業運営しています。事業全体の中での位置づけと役割の明確化、利用者・行政・地域・市民・事業者との連携、継続的な地域の情報の収集などの視点をもって、運営者との連携をより推進することが重要となります。

平成27年度から施行される子ども・子育て支援新制度では、市町村が地域の「総合的な子育て支援の仕組み」をつくっていくこととなります。本市においても、給付や事業など子育て支援のメニューを整備していきますが、保護者がそれに気づかない、気づいても支援の受け方がわからないことのないよう、必要とされる支援が必要な人に届くための「利用者支援」という視点の重要性が一層高まるものと認識しております。

松戸市資料3 子育てコーディネーター事業活動の様子①


松戸市資料4 子育てコーディネーター事業活動の様子②

3 おわりに

本市では、「利用者支援事業」のさきがけとして子育てコーディネーターの事業を早くから展開してきましたが、地域の個性を活かし自立した地方をつくる地方分権の視点として、行政が単に国の事業を実施することではなく、市の地域性や総合的な施策の推進状況に応じて、地域の力を巻き込みさらに地域力を育てることができる事業展開をさらに進めていきます。

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