分権クローズアップ[地方分権改革の旗手] 第8回 新潟市 その1

分権クローズアップ[地方分権改革の旗手]では、各地方の「地方分権改革の旗手」の方から、それぞれの地域における地方分権改革の取組や成果について紹介をしていただきます。第8回は、新潟市 地域・魅力創造部大都市制度・区政創造推進課 の野崎麻梨子主事から寄稿いただいた記事を2回に分けて掲載します。今回は、その1となります。

1 はじめに

新潟市は、平成19年4月より本州日本海側初の政令指定都市として歩みはじめ、広域合併により、都市と田園が調和する独自の都市構造をもち、多様な地域文化が共存する都市となりました。今後も、各地域の歴史や文化などの個性を尊重したまちづくりを進めながら、地方分権・都市内分権を推進していきたいと考えています。

今回は、これまでの新潟市における地方分権改革の推進に係る取組について、紹介します。

2 事例紹介I 本市の実情を踏まえた独自基準の設定(福祉施設の運営基準等)

第1次一括法及び第2次一括法では、「施設・公物設置管理の基準」等について義務付け・枠付けの見直しが行われ、各地方公共団体において新たに条例を制定するなどの取組が進められました。新潟市では、条例の制定にあたり、本市の実情を踏まえた基準となるよう、市民のニーズや、国の基準と本市の実態との乖離の有無、県や市町村に与える影響等について検討を行いました。

その結果、制定された35の条例のうち31の条例において、市の独自基準を取り入れました。その一部をご紹介させて頂きます。

一つ目は、児童福祉施設の設備及び運営の基準についてです。

まず、本市の実情として、0~2歳児の入園需要が顕著であることを考慮し、乳児を入所させる保育所には保健師・看護師等を配置する努力義務を規定しました。これは、抵抗力が弱く、予防接種も未完了な乳幼児がいる保育所での健康管理を強化するためのものです。この規定により、園内での感染症やケガなどへの対応が円滑に行われています。

さらに、従来から市内全園では、児童のむし歯予防のため嘱託歯科医を配置していました。その実態に合わせ、条例制定の際に、改めて嘱託歯科医配置の義務を明記いたしました。実際に、市内の園児のむし歯有病率は、各年齢とも減少傾向となっており、むし歯の予防対策の効果が表れていると考えています。この様に園児期からむし歯予防をすることは、将来成人期における歯科口腔保健の向上へと繋がり、延いては健康の維持増進・生活習慣病の予防へ役立っていくと考えています。

二つ目は、救護施設等の社会福祉施設の設備及び運営に関する基準です。

まず、非常災害対策についてです。過去の大震災や水害などの経験を踏まえ、施設が策定する計画を「その程度、規模に応じた具体的な計画」とすることとし、災害に備えた近隣住民、医療機関、他の社会福祉施設等との協力体制を構築することの努力義務を規定しました。また、必要に応じて具体的な計画を利用者へ周知することも明記しています。これにより、本市管轄の救護施設では、「消防計画」のほか「地震及び風水害防災応急計画」を策定し、毎月、火災や地震、津波を想定した避難訓練(夜間訓練を含む)を実施しています。

次に、サービスのチェック体制についてです。施設利用者の利便性・満足度向上のため、施設運営の第三者評価の実施と結果公表の努力義務を規定しました。これにより、第三者によるチェック機能が働き、より利用者が安心してサービスを受けられる体制づくりが可能になったと考えています。

さらには、田園都市である本市の地域性を活かし、新潟市食育推進条例に基づいて、地域で生産された食材の使用及び地域の特色ある伝統的な食事の提供の努力義務を規定しました。地元農家より食材を仕入れ、施設で提供する食事へ積極的に使用することで、地産地消の取組を進めています。

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