分権クローズアップ[地方分権改革の旗手] 第7回 藤枝市 その2

分権クローズアップ[地方分権改革の旗手コーナー]では、各地方の「地方分権改革の旗手」の方から、それぞれの地域における地方分権改革の取組や成果について紹介をしていただきます。第7回は、静岡県藤枝市 市長公室行政経営課の秋田弘武 課長から寄稿いただいた記事を3回に分けて掲載します。今回は、その2となります。

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3 分権改革に伴う事例紹介

藤枝市では、地方分権改革に伴う第1次・第2次一括法や静岡県事務処理条例などにより、独自制度の制定や処理事務の拡大を進めており、そのいくつかを紹介します。

(1)藤枝市工場立地法に基づく地域準則条例における緑地・環境施設面積率の独自設定

工場立地法の改正に伴い、平成26年1月に「藤枝市工場立地法に基づく地域準則条例」を制定しました。この中で、特定工場等の緑地を含む環境施設面積率について、住居系地域・商業系地域において引き上げる一方、工業専用地域・工業地域・準工業系地域おいては緩和しました。また、建物屋上等の緑化施設について、緑地面積に算入できる割合を高めました。これは、担当職員が、企業の投資環境を整えるためヒアリングを綿密に行って立地課題の把握に努め、また、パブリックコメントなどにより市民意見も反映して立案し、土地利用に応じ環境面と企業誘致の両立を図るため制定したものです。早速、市内のいくつかの工場における生産施設の増設に緩和基準を適用し、百数十億円規模の投資に結び付く成果となっています。

(2)藤枝市が管理する市道の構造の技術的基準等を定める条例

道路法の改正に伴い、平成25年4月に「藤枝市が管理する市道の構造の技術的基準を定める条例」と関係規則を定めました。全国一律的な道路構造の技術的基準を見直し、次のような合理的な独自基準を設定しました。

1本市が該当しない積雪寒冷地域、波浪の表記、現存しない路面電車や路面電車関連施設の削除

2道路の有効利用の観点から、停車帯幅員1.5mを標準化及び植樹帯の設置対象道路の柔軟化

⇒効果:歩行者等の安全確保・違法駐車やすり抜け車両の防止による交通事故削減

3本市における実情から、路肩に設置できる構造物の明確化、歩道の最小有効幅員を1.5mまで縮小可能に、また、道路屈曲部について安全性確保を前提に曲線形以外を可能に

⇒効果:コスト縮減・これに伴う歩道整備の促進による歩行者交通事故の削減

4第4種道路(都市部道路)に適用の特例規定(曲線部の片勾配・車線等の拡幅等)を周辺に建物がある第3種道路(地方部道路)に適用

⇒効果:交差点部改良による交通渋滞の緩和・コスト縮減・これによる道路整備の促進

5道路標識のローマ字の大きさを、漢字・かな文字との比率50%から65%へ拡大

⇒効果:道路利用の国際化・道路標識の視認性や判読性の向上

これらは、市道を整備・管理し本市の実情に詳しい担当職員が検討・起案しました。整備及び維持管理に要する費用の縮減を図り、早期に安全性及び利便性を確保することにより、「交通安全日本一のまちづくり」に寄与するものです。

(3)藤枝市ペット霊園等の設置及び管理に関する条例

本市では、良好な環境の住宅地の中に墓地係争の事案となった土地があり、その後ペット霊園が建設されるのではとの懸念が生じていました。環境担当の職員が、他都市における類似の問題事例等を調査し、設置及び管理が適切に行われるよう条例案をいち早く起案しました。条例では、ペット霊園設置を市長の許可を要するものとし、申請手続、周辺住民への説明及び住民意向の計画への反映、設置場所・構造設備の基準等を定めています。これにより周辺住民との紛争を未然に防止し、周辺環境との調和及び生活環境の保全が図られ、無秩序にペット霊園が建設される不安を解消することができました。

(4)ふじのくに権限移譲推進計画

静岡県は、県内市町への権限移譲を積極的に進めており、これまで移譲した事務数は全国一となっています。本市もこれに呼応して積極的に事務の移譲を受け入れており、これまで本市に移譲された事務数は、86法令961事務となっています。

一例を紹介すると、一般旅券(パスポート)の申請・交付事務は、平成20年度から本市の市民課窓口で業務が開始されています。市民により身近な窓口でパスポートの申請・交付を行うことで、例えば、市内に本籍を置く多くの方が、パスポート交付に必要な戸籍謄抄本を同じ窓口で取得後直ちに添付して申請できるようになりました。さらに職員の工夫により、本市の独自サービスとして、窓口での交付時に必要な県証紙の販売、案内システムの導入、快適待合椅子の設置等に加え、土曜日開庁も行って平日に来られない方が交付を受けやすくするなど利便の向上を図っています。

権限移譲により、事務処理の迅速化を含め市民サービスが向上し、また、業務の連続性の向上や事務処理根拠の明確化などのメリットがあります。一方、市町単位では処理件数が少ない事務の取扱いをどのようにするか等の課題もありますが、市町間の横の連携で事務処理を円滑にする等により、権限移譲に対応していきたいと考えています。今後においても、本市では、農地転用を許可できる範囲の2haから4haへの拡大、特定非営利法人の認証、企業立地法に基づく企業立地計画の承認等の権限移譲を受けていく計画です。

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