分権クローズアップ[地方分権改革の旗手] 第3回 広島市 その2

分権クローズアップ[地方分権改革の旗手コーナー]では、各地方の「地方分権改革の旗手」の方から、それぞれの地域における地方分権改革の取組や成果について紹介をしていただきます。第3回は、広島市企画総務局企画調整部の久保下雅史部長から寄稿いただいた記事を2回に分けて掲載します。今回は、その2となります。

広島市企画総務局企画調整部分権・行政改革推進課のページ

3.事例紹介II 二重行政解消の取組(広島県との連携強化)

次に、広島県との二重行政解消の取組を紹介します。

二重行政解消というと、どちらか一方に事務・事業を集約することを考えがちですが、個々の事業を詳しく見ていくと、県と市が共同実施したり、お互いに役割分担しながらそれぞれが実施する方が効果的なものもあります。

このため、広島県と広島市がそれぞれ実施している類似の行政サービスについて、住民の視点に立って一つ一つ県・市の役割分担や連携方策を探る場を設けることにしました。それが、平成24年2月に設置した「広島県・広島市の連携のための合同研究会」です。

この研究会において、まずは類似する事務の洗い出しを行い、それらについて、県民や市民にとってより有益な行政サービスを提供するにはどうすべきかを議論し、県市の役割分担や連携方策を整理しました。

その一つとして、産業振興分野(企業支援)の例を紹介いたします。

広島市中小企業支援センターと広島市内にある広島県西部地域中小企業支援センターは、いずれも中小企業支援施策を担当する部門です。つまり、広島市域内の企業に対する総合的な相談業務は、重複して実施しているという実態がありました。そこで、総合的な相談業務を市の中小企業支援センターに移管していただくことにしました。ただし、本市の企業の相談業務だけを移管したのでは、引き続き他の広島県西部地域の企業の相談業務は県が実施しなければならず、県からすると非効率ですので、広島県西部地域も含めて企業の相談業務を本市に任せていただくことを提案しました。その結果、広島県西部地域における役割分担は、本市の中小企業支援センターが総合的な相談業務を担い、広島県の中小企業支援センターは、チーム型支援や技術・経営力評価支援などの専門的な支援業務を担うことになりました。これにより、利用する企業にとって分かりやすい支援体制を構築することができたと考えています。

4.事例紹介III 73事務の移譲可能性の検証(事務・権限の移譲)

最後に、事務・権限の移譲の取組である「73事務の移譲可能性の検証」の取組です。

73事務とは、第30次地方制度調査会の答申において示された「都道府県の事務のうち指定都市に移譲されていない主な事務」のことです。国は、地方制度調査会の答申を受けて、73事務を法定移譲するための第4次一括法の制定に向けて準備を進めていましたが、広島県及び広島市においては、移譲の適否の判断を国任せにするのではなく、当事者として、それぞれの事務について、広島県が行うべきか、広島市が行うべきかを独自に検証しました。

その結果、25事務の移譲について具体化に向けて協議を行うこととし、法定移譲されなかった事務についても、広島県の事務処理特例条例によって、独自に移譲することを検討していくことにしました。

5.おわりに

本市では、ここまで紹介してきた取組のように、現行制度の下でも実現可能な方策を用いて市民サービスの向上を図ることにしています。

それは、地方が着実に実績を積み重ねるとともに、自らの政策立案能力を高めることで、制度を所管する国からの信頼を得ることができれば、国と地方の役割分担の見直しにもつながり、真の分権型社会の実現に近づくと考えているからです。

広島市は、こうした考えの下で、引き続き市民サービスの向上に取り組んでいきたいと考えています。

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