分権クローズアップ[地方分権改革の旗手] 第1回 埼玉県 その1

分権クローズアップ[地方分権改革の旗手コーナー]では、各地方の「地方分権改革の旗手」の方から、それぞれの地域における地方分権改革の取組や成果について紹介をしていただきます。第1回は、埼玉県企画財政部企画総務課の吉田雄一政策幹から寄稿いただいた記事を2回に分けて掲載します。今回は、その1となります。

埼玉県 地方分権改革のページ

1.はじめに

2月14日に開催された地方分権改革有識者会議地方懇談会(in埼玉県)には、あいにくの大雪の中、県内外から多くの方に御来場いただきました。参加者の皆様の地方分権改革への関心の高さに敬意を表するとともに、開催県としてお礼申し上げます。

今回は、埼玉県における地方分権改革の取組について、地方懇談会で事例発表した3つの事例を紹介させていただきます。
(なお、事例の内容は、地方懇談会の開催時点のものです。)

 

2.事例紹介 I ハローワーク特区

まずはハローワーク特区についてです。本県ではハローワーク特区を活用して、平成24年10月に「ハローワーク浦和・就業支援サテライト」を開設しました。
従来から全国知事会では地方によるきめ細かな雇用対策を実現するために、ハローワークの地方移管を強く求めてきましたが、平成22年12月に閣議決定された「アクション・プラン」等に基づき、ハローワーク特区を本県のハローワーク浦和と佐賀県のハローワーク佐賀の2か所で実施することになりました。

ハローワーク特区は、試行的に、ハローワークが移管されているのと実質的に同じ状況を作り、地方への移管可能性の検証を行うものです。知事が当該ハローワークの業務に関して国の職員である労働局長(埼玉で言えば埼玉労働局長)に対して指示権を持っていることが制度面の特徴です。

サテライトのポイントの1つ目は、若者や女性など幅広い方々が安心・気軽に利用できるよう工夫していることです。平日の19時まで営業しているので、日中働いている人も仕事帰りに立ち寄れます。JRの主要結節駅(埼玉と東京を結ぶ埼京線、埼玉を東西に結ぶ武蔵野線の乗換駅)である武蔵浦和駅から歩いて3分という非常にアクセスのよい場所にあります。また、子育て中の女性も安心して利用できるよう授乳室やキッズスペースを完備しています。

ポイントの2つ目は、利用者の状況に応じた支援をワンストップで提供できるようにしていることです。施設内に8つあるコーナーを利用者が適切に使いこなせるよう、総合ガイドとしてベテランカウンセラー2名が最適なコーナーに案内しています。求職者は就職相談だけではなく、仕事を失って生活資金や住宅にも困っているケースもありますので、このような多様な困りごとの相談もできるようにしています。県のカウンセリングとハローワークの豊富な求人の紹介を連携させることで、就職に結びつけています。

オープン以来、本年1月までの利用者数は当初の目標を上回り、5万人を越えています。利用者満足度も98.6%と非常に好評をいただいています。このハローワーク特区の実績・成果を踏まえて将来的な地方移管を求めていきたいと考えています。

 

3.事例紹介 II 市町村への権限移譲について(パスポート交付事務の移譲)

次に、市町村への権限移譲についてです。本県ではこれまで3次にわたる権限移譲方針を定め、手挙げ方式で市町村への権限移譲を積極的に推進してきました。移譲事務の法律数は全国第5位の90法律です。

ここでは、広域連携の仕組みを活用したパスポート交付事務の移譲について説明します。
この移譲の狙いは、まさに住民の利便性向上です。しかし、規模の小さな市町村では1日当たりの利用者数が少なく人員の配置等も困難であることなどから、権限移譲に二の足を踏んでいました。そこで、規模の小さな市町村は県から一旦権限移譲を受け、それを近隣の市に事務委託することにしました。

その結果、例えば県西部の秩父地域に住む方々は、以前は県北部の熊谷市にある県パスポートセンターまで電車で1時間以上かけて出向かなければなりませんでした。それが広域連携の仕組みも活用して権限移譲することによって、より身近な秩父市役所でパスポートをとれるようになったのです。

この事務の移譲は、県のパスポートセンターから離れた大きな市(人口20万以上の川口、草加、越谷の3市)で平成19年度に始まりました。その後、21年度からは広域連携による仕組みを活用することで小規模市町村にも移譲が進み、単独で受ける市町村の数も飛躍的に増えてきました。現在では、63市町村のうち49市町村が移譲を受けています。

 

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